各部
検査部
検査部の概要
臨床検査部では、病状や治療効果の診断に必要な検査を行っています。
検査は主に検体検査と生体検査に分けられ、検体検査部門では血液・尿・便・穿刺液等から酵素や蛋白質などの量を測定し、各臓器の働きを数値で表示します。
生体検査部門では心電図や脳波、超音波など、患者さんの体から直接得られる情報をもとに検査を行います。
臨床検査は医療の進歩とともに項目の種類も増え、各分野での専門性も深まってきています。2017年の電子カルテ更新に伴い新たな分析装置に更新し、より微量な検体から高精度で迅速な報告が可能となりました。
検査部では夜間及び休日においても日当直者1名を配置し、24時間体制で輸血検査や緊急検査を担当しています。
スタッフ構成
検査部長 | 1名 |
検査精度管理医 | 1名 |
臨床検査技師 | 21名 |
認定資格者一覧
(2024年5月1日現在)
認定輸血検査技師 | 2名 |
感染制御認定微生物検査技師(ICMT) | 1名 |
認定血液検査技師 | 1名 |
認定認知症領域検査技師 | 1名 |
国際細胞検査士 | 4名 |
細胞検査士 | 6名 |
認定POCコーディネーター | 2名 |
認定病理検査技師 | 1名 |
認定一般検査技師 | 1名 |
超音波検査士(腹部) | 6名 |
超音波検査士(心臓) | 1名 |
超音波検査士(体表面) | 3名 |
日本不整脈心電図学会 心電図検定1級 | 1名 |
認定心電図検査技師 | 1名 |
二級臨床検査士 | 3名 |
認定救急検査技師 | 1名 |
緊急検査士 | 1名 |
有機溶剤作業主任者 | 4名 |
特定化学物資四アルキル鉛等作業主任者 | 3名 |
化学物質管理者 | 1名 |
検査を終了した残余検体の使用について(お願い)
検査部では、患者さんの血液や尿などの検体を用いて様々な検査を実施しています。検査後の検体は通常廃棄しますが、その一部を精度管理や教育、研究などの医療の質の向上のために使用することがあります。残余検体を使用するため、採取量が増えることはなく、費用負担が発生することもありません。また、使用の際は、匿名化するために個人情報が漏れることはありません。
残余検体の使用を拒否される場合は、下記までご連絡をお願いいたします。ご連絡をいただいた方の検体は使用いたしません。
なお、拒否されることによって不利益を被ることはありません。ご連絡のない場合は、ご了承いただいたものと判断し、使用させていただく場合がございます。ご協力のほどよろしくお願いいたします。
連絡先
神戸赤十字病院 検査技師長
〒651-0073 神戸市中央区脇浜海岸通1-3-1
TEL:078-231-6006(代)
業務内容
一般検査室
一般検査室では尿検査、糞便検査、髄液・穿刺液の検査を行っています。
尿定性検査 | 尿中の各成分(蛋白、糖、潜血など)の定性を行います。 |
尿中有形成分分析 | 尿中の有形成分(赤血球、白血球、上皮細胞、細菌など)を調べて尿路系に異常があるかどうかを調べます。 |
便中ヘモグロビン検査 | 下部消化管出血の有無を検出して大腸癌の検診に活用します。 |
髄液検査 | 髄液中の細胞や蛋白、糖などを測定して体腔内の循環障害、栄養障害、炎症などを調べます。 |
穿刺液検査 | 腹水、胸水、関節液などの炎症や異形細胞の検査を行います。 |
寄生虫検査 | 便中に排出された寄生虫卵を探す検査です。 |
便ヘモグロビン検査装置 尿中有形成分分析装置
尿定性検査分析装置
生体検査室
生体検査室では、以下のような生体機能検査を行っています。
- 心電図、負荷心電図検査、長時間記録心電図
- 超音波検査(心臓、腹部、頸動脈、甲状腺、乳腺、下肢静脈、その他)
- 脳波検査
- 呼吸機能検査
- 睡眠時無呼吸検査
- 神経伝導速度、筋電図、誘発反応検査
- 聴力検査
- 血圧脈波検査(動脈硬化検査)
- 尿素呼気試験
心臓超音波診断装置
腹部超音波診断装置
筋電図・誘発反応検査装置
呼吸機能検査装置
デジタル脳波計
検体検査室
検体検査室には、血液・輸血検査室・生化学・免疫血清検査室・病理検査室・細菌検査室があり、それぞれ正確で迅速な検査を心掛けています。
血液・輸血検査
血液検査室では、血算(CBC)・凝固検査などを行いQAPによる精度管理を実施しています。
輸血検査室では、安全かつ適正な輸血検査業務を目指し、検査部一元管理とコンピュータクロスマッチの導入により迅速な血液製剤の供給と血液製剤の有効利用を推進しています。輸血管理システム導入により適切な在庫管理に努めています。
血液検査装置
輸血検査装置
生化学・免疫検査室
生化学検査室では、生化学自動分析装置により主に血液および尿に含まれる物質(酵素、蛋白質、脂質、糖質等)を調べて肝臓・心臓・腎臓・膵臓等の異常がないかどうか、病気や治療の予後の目安として検査を行います。
免疫検査室では化学発光免疫測定装置により血液や体液等からの肝炎ウイルスなどの感染症、各種ホルモン、腫瘍マーカー、炎症性マーカー等の検査を行っています。
またリニア検体搬送により迅速に装置に検体架設され総合的な検査時間の短縮を図っています。
リニア検体搬送装置
リニア検体搬送装置
生化学分析装置
細菌検査室
細菌検査室では主に、一般細菌検査、抗酸菌検査、迅速検査、COVID-19検査や結核菌などの遺伝子検査を行っています。
感染症の治療は、早期に原因菌を特定し、適切な薬剤で治療を行うことが重要です。2023年4月に検査機器を一新し、迅速に菌種同定が可能な質量分析器も新たに導入しました。臨床医や感染対策チームと連携し、適切な感染症治療を実施するために必要な結果報告を迅速に行っています。
質量分析装置(2023年4月導入)
一般細菌検査
- 鏡検:検査材料(痰・尿・便・膿など)をスライドガラスに塗り染色して顕微鏡で菌を観察します。
- 培養:それぞれの検査材料を培地に塗り、ふ卵器で一昼夜培養し、生育した細菌のコロニーの中から病原菌となる菌を選別します。
- 同定:病原菌の菌種を特定します。
- 薬剤感受性:検出された菌にどの抗生剤が効くのか、また薬剤耐性があるかなどを調べます。
抗酸菌検査
結核菌、抗酸菌(結核菌の仲間)を顕微鏡や遺伝子検査により調べます。
迅速検査
インフルエンザウイルス、アデノウイルス、A群溶連菌などの有無を十数分で調べます。
PCR検査装置
病理・細胞検査室
胃や腸の内視鏡ファイバーで採取した組織や手術で摘出された臓器、手術中に手術の適応を最終決定するための迅速組織診断や子宮がん健診、乳がん健診の細胞診断、喀痰、尿、体腔液等からも悪性細胞を診断します。
組織診断結果は採取後、病理医が迅速に報告できるよう努力しています。(生検材料は中1日、手術材料は1週間)
術中迅速組織検査
ディスカッション細胞検査